" The Lunch Box ". / 映画 「めぐり逢わせのお弁当」。

また、地味ーな映画を見てきました。

『めぐり逢わせのお弁当』です。


舞台はインドの大都会・ムンバイ。
間違えて配達されるお弁当からストーリーが始まります。

お弁当を作った子持ち・専業主婦と
間違って配達されたお弁当が届いてしまった早期退職直前の堅物のオッサン。



インド(といっても広大ですが、ことムンバイのこの地域)には、お弁当を配達するシステムがあるようで、その誤配達率は6,000,000分の1。

毎日20万個以上のお弁当箱が人の手によって運ばれます。
かなり適当そうなおじちゃんたちがポイポイお弁当を荷車に積んでいくのですが
ちゃんとオフィス街の主のもとに時間通りの届くよう。

その正確さはハーバード大学の研究対象になるほど。
先進国の最新ロジェスティックを凌駕するすごいシステムのようです。


ダッバーワーラーという、お弁当配達人が物語の進展の媒介となっていたり
「手作り弁当」や「手書きの手紙」というアナログなものが大活躍します。

いまや、毎日お弁当を作っている人、
しかも手紙を添えている人なんて存在するんでしょうか。

そういったローテク・コミュニケーションの美しさや郷愁が、
この映画を欧米で流行らせたスパイスなんじゃないかな、と思います。


そもそも、このダッパーワーラーという職業もインド固有のカースト制に深く関連したものです。
起源は英領植民地時代に、イギリス企業で働いていたインド人の多くは、自分たちの勤務先で給されるイギリス式の食事に嫌気が差していた。単に食味が嗜好にあわないというだけでなく、ヒンズー教やイスラム教の禁忌に触れるという問題もあった。またインド特有のカースト制の問題もあり、下位のカースト出身者が作った食事を食べるのも抵抗があったため、インド人向けにインド料理を供するのも難しかった。
そのため、自宅で家族が調理した昼食を勤務先へ届けるというビジネスが始まった。(wikipediaより)

インド人監督だからこそ生み出せたストーリー。
ニューヨークやパリ、東京、上海など他の“大都会”ではなくインドである必要があります。


大都会が抱える、普遍的な問題がちりばめられていて
きっと多くの人が共感できる映画です。

自分の家庭、老いた両親、親の介護、仕事の辞め時。
夫の無関心&浮気疑惑、おせっかいだけど頼りになる近所のおばちゃん、ウザいし仕事ができないお調子者の部下、死んだとたん父親の不満を言いだす老いた母。

ラブストーリーでもあるのですが、それ以上に「個人」の生き方のはなし。

主人公の女性(専業主婦。すごく美人ていう役ではなかったと思いますが、まだまだ恋愛できる!はずのきれいな女性。)も、夫に激怒するわけでもなく、母をとがめるわけでもなく、結構淡々としています。

わかりやすいハッピーエンドではなく、
変えようもない日常や逃れられない孤独、そういったものが後を引く映画でした。

平凡や孤独は果たして、直結して絶望や不幸せなのか?といわれると、それも認めたくないな~。
だってみんなそうでしょ?

そんなかんじの映画でした。





【参考】

公式サイト 「めぐり逢わせのお弁当」 
東京ではシネスイッチ銀座で観られます。

LOAD SHOW 『めぐり逢わせのお弁当』リテーシュ・バトラ監督インタビュー
小津安二郎監督の作品がすきらしいです。



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