The issue of Burberry. / バーバリー、2015年問題

三陽商会、40年にわたる「バーバリー」ライセンス事業2015年春夏で終了へ
三陽商会が英バーバリーの契約終了「新生SANYOを目指す」
http://jp.burberry.com/ トップ


2014年前半のファッションニュースで一番話題になったのは
この “バーバリー2015年問題” ではないでしょうか。


「バーバリー」を冠するブランドは2015年7月以降、
英バーバリー本社が日本法人を通じて直営展開するのみとなります。


もともと2009年の契約更新時から2015年に終了することに決まっており
サプライズだと思っていなかったので、ここまで世間で話題になっていることに
個人的には少々驚きました。


ちなみに、三陽商会の株価は急落。

5月19日に三陽商会よりリリース。翌日より株価は急落。

市場でのインパクトも大きかったよう。
翌日5月20日の相場では年初来安値を更新、一時20%超の下げ。


その直後、

基幹ブランドを「マッキントッシュ ロンドン」にすえること、
中期5ヵ年計画では、「マッキントッシュ」「ポール・スチュアート」「エポカ」を基幹3事業に
準基幹4事業を「アマカ」「エヴェックス バイ クリツィア」「トゥー ビー シック」「ラブレス」に

バーバリーの穴埋め計画を発表していますが 市場は評価せず。


もともと百貨店ブランド自体、売りづらい時代なので、それくらいでは「買い」にはならないでしょうね。



今までいくつかライセンスの引き上げ、本国の直営事業化といったニュースがあったと思います。
今回の三陽商会とバーバリーのようにネガティブ(?)なものばかりではないと思います。

よく覚えているのは住友商事のコーチ売却。

住友商事は2001年に日本法人「コーチ・ジャパン」を設立。
その後、国内で有力ブランドへ育成し、2005年には見事コーチ本社に持分を3億ドルで売却。
かなりの利益を得たといれています。
(現在ではコーチ・ジャパンは米コーチ社の100%子会社。)

総合商社による高級ブランドへの投資では伊藤忠商事や三井物産が先行しているイメージでしたが、ついに住商もか!とおもった事例。

その後、
2006年 バーニーズ ジャパンに出資
2008年 リシュモンジャパンの合弁でランセルジャパン株式会社が設立。
同年   マーク・ジェイコブス・インターナショナルと合弁で「マーク・ジェイコブス・ジャパン株式会社」設立

このあたりも、うまくローカライズさせながら、規模を拡大させている好例でしょう。

日本というマーケットはやはりよく語られるように、ほかの地域と比べて特殊なのか。
あるいは日本の大手商社のビジネス構築の力が大きいのか。
とはいえ、もともとブランドが持っている商品の優位性、魅力あってのこと。


ブランドというものは莫大な投資、さらに長い年月と地道な努力の積み重ねでしか生まれないものですね。


俗にいう「ブランド志向」「ブランド買い」…みたいなのは別ですが、
ブランドには敬意を払い、ディフュージョンラインの位置づけ、戦略など注目してお付き合いしたいとおもったのでした。

【参考】



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