Film Festival “Asian Future”. / 東京国際映画祭でアジア映画。




毎年楽しみにしている東京国際映画祭がはじまりました!

世界から“トーキョー”へ秀作があつまる年に一度の映画のお祭りです。

渋谷・Bunkamuraでやっていたころから、毎回1-2作品は観ています。

前評判はもちろん、あらすじも読まず、国名とスケジュールのみで突撃しています。

一度はコメディだと思っていったら、アル中でジャンキーで癌になるイケイケの男の半生を追ったシリアスな映画だったりもしました。


今回観たのは『雲のかなた』。

まえに『クリスマス・イブ』TIFF 2011年出品作)を観て2年ぶり、2回目のフィリピン映画です。


冒頭からショッキングな映像。
おじいちゃんの家も山も汚なすぎ。

ペペ・ジョクノ監督はヴェネチア国際映画祭でも評価された若手監督のホープらしく、メリハリの効いた、最後にきちんとカタルシスが待っている良い作品でした。

最後には監督、役者そしてプロデューサーが登場し、Q&Aも。

フィリピンのミック・ジャガーことペペ・スミスさんはかなりチャーミングでした。
どこの国にもいるんですね。『ヘイ、ロケンロー』という白髪のロッカーが。


主役のルル・マドリッドさん、おじいちゃん役の ペペ・スミスさんらも

祖父の(汚い)家にあった古い写真。
いまのフィリピンが失ったもの。
環境。自然。遺産。

若い監督ですが、深い映画愛があり、深いフィリピン愛があり…。

フィリピン映画界は100年を超える歴史があるようですが、古いフィルムはきちんと保存されておらず、ほぼ残っていないということでした。

また、フィリピンは世界で一番台風が多く、毎年数百人から多い時は二千人もの人が被害にあい亡くなるようです。

『気候変動は人間のせいでもある。』と監督は言っていました。

環境を破壊したり無理な街づくりや河川の埋め立てなど、人間の都合で自然を捻じ曲げたことによって、被害を拡大させていることもあるのでしょうね。


また、資金を工面する際、海外でのファウンディングを行った話も面白かったです。
本作品がフィリピンとフランスの合作です。
「お金がない」とあきらめるのではなく、国をまたいで資金を集め、やっと出来上がった一つの映画。
これからたくさんのひとに見てもらえることを期待しています。

“昔は良かった” と言って遠くを見つめる映画ではなく、新しくて刺激的でまたアジア映画を好きになる素晴らしい作品でした!





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