Une nouvelle amie by François OZON /『彼は秘密の女ともだち』

アメリカで同性婚が認められましたね。

全米で同性婚“合法化”へ 米連邦最高裁が判断 @NHKニュース


via cinematoday.jp



そんなきょう、フランス映画祭でフランソワ・オゾン監督の新作 『彼は秘密の女ともだち(Une nouvelle amie)』 を観てきました。


ものがたりはひとりの女性の死ではじまります。
レズビアンと言われてしまえばそれまでだけど、友情を超えた女ともだち、ローラとクレール。

ローラの死が、夫、親友クレール、そしてクレールの夫ジルの日常を変えてしまいます。

女装、性的倒錯、出産や子育て、理性や世間体。
本当の幸せとは…?

自由に生きる、とか簡単にいいますが、「自由」を得るために闘わなければいけないし、個人の幸せと家族の幸せが常に同一項とは限らない。

LGBTについて話すとき、日本ではよくゲイ、レズ、バイが対象になっているような気がします。
ただ、実際はもっと複雑で、曖昧なものなんだろうな、と思います。
さすがフランス、そういった非合理的な “人間” を美しく、深く、そしてエスプリたっぷりに描いていました。


via cinematoday.jp


原題は Une nouvelle amie 。 直訳だと、新しい女友達、となります。

結局、主人公は人生の伴侶として最愛の友達を選びました。

ただ「付き合う」、「一緒にいる」ではなく、「結婚」。
契約であり、法的な権利を有するものであり、社会への承認行為でもあります。


アメリカの連邦最高裁判所により裁判命令書には以下のようにあります。

No union is more profound than marriage, for it embodies the highest ideals of love, fidelity, devotion, sacrifice, and family. In forming a marital union, two people become something greater than once they were.

(人と人のさまざまな結びつきの中で、結婚以上に深い結びつきがあろうか。
なぜなら結婚とは、最も崇高な愛、忠誠、献身、自分を犠牲にしてでも守りたい気持ちを含んでおり、家族を抱くことだ。婚姻関係を結ぶことで、二人の個人は、いままでの自分をはるかに超えて深みのある人間になる。)

※日本語訳は Fashionsnap.com より。
  アメリカ最高裁が同性婚を認める その命令文が美しいと話題に


世界で一番影響力のある国、アメリカで同性婚が認められ、マイノリティと差別され続けてきたひとたちに大きな希望が見えた日。

もちろん、じっとしていてこの日が来たわけではありません。
働きかけ、闘って得た権利。

法律で認められたにしても、まだまだ不平等はあるし、強固に反対するグループもいます。
実際は 「“ストレート” 以外を異常」とみなす人は多いと思います。
法律ができたから差別が解消されたわけじゃない。まだまだこれから解決しなきゃいけないことはたくさんあると思います。
まずは自分から。なにができるか考えたい。

そんな日に、とても良い映画に出会えました。


フランス映画祭2015
6月26日(金)~6月29日(月)
上映作品のスケジュールはこちら

■『彼は秘密の女ともだち』公開情報
2015年8月よりシネスイッチなどで一般公開。
オフィシャルサイトはこちら




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