FUN! FUN! Cinema Italiano
イタリア映画と言えば、
ロベルト・ロッセリーニ、フェデリコ・フェリーニ、ミケランジェロ・アントニオーニ、ルキノ・ビスコンティ、デ・シーカなどの映画史に残る巨匠軍、
そのあと1980年代以降は『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ、更に『ライフ・イズ・ビューティフル』のロベルト・ベニーニなど…
ハリウッド作品とはちがった個性的な作品が多くあります。
しかし、もっと娯楽的で、かつ今のイタリアがよくわかる作品…と言えば、この辺りかと。
『私を撮って (Riprendimi)』
(おはなし)
資金がないけどコンペのために作品を撮りたいエロスは“非正規労働者”の生活を追求するドキュメンタリー映画を作ろうと思いたちます。同業のジョルジョと組んで、友人の売れない俳優ジョヴァンニと仕事が不定期な映画編集助手ルチアの夫婦にターゲットを絞り、撮影開始。
朝から夜までを追いかけて密着取材を始めたところ、夫婦喧嘩の末ジョバンニが家を飛び出し…。
イタリア映画によくある構図ですが…
主人公はイケメンなのですが、まずもってダメ男です。
赤毛可愛い系華奢な美女 VS 黒髪グラマラスセクシー美女。
イタリア男は必ず浮気します。
そして、間違いなく黒髪セクシーを選びます!
おいおい、これはポルノか!というくらい、しつこいです。
日本だと女性への配慮から、こんなひどい浮気男の話なんてそもそも作られなさそう…。
ただ、遠慮なく描いてしまえば「これが現実なのだろうな~」とおもう、鋭い作品だと思っています。
最後にカメラを止めるシーンが非常に印象的です。
そう、あなたも演者なのです。
『最後のキス (L'ultimo bacio)』
(おはなし)
ジュリアは27歳、カルロは29歳。二人は交際3年目で、子供が生まれる予定なのですが、結婚するつもりはありません。彼らの間は順調に進んでいるかに見えたが、実は異なっていた…というところから物語が始まります。
反復になりますが、男は必ず浮気します。
今回は、彼女の妊娠の直後、その変化について行けず、しかも、未成年を相手に浮気に逃げるパターンです。
イタリア人にありがちな【妊娠出産と結婚は別】という〝結婚したくない男″です。
とにかく結婚という看板が重すぎて、彼らには無理…。現実逃避としてまず浮気します。
このストーリーの面白いところは、最終的にカルロは「独身」「自由」などをあきらめ、結婚します。子育てにも参加します。しかし、親友たち3人はそれぞれの思いを胸に、キャンピングカーで旅に出ます。
「義務」や「責任」なんてまっぴら!結婚なんて死んでもするか!!
それが多くのイタリア人の気持ちです。
さらに、プロローグではジュリアの両親の冷え切った関係の描写、エピローグではジュリアとマッチョな男性との偶然の出会いの場面が挿入されています。
これは…なにかあるね。という悪い後味を残してくれる良い映画です。
人生にハッピーエンドなんてないのだ!ということでしょう…。
『無邪気な妖精たち (Le fate ignoranti)』
(おはなし)
アントニアとマッシモは結婚して約10年。
すべてが順調で何も問題がないようですが、突然の交通事故でマッシモが死んでしまいます。悲しみの中で夫の遺品を片づけ始めたとき、一枚の肖像画を見つけます。絵の裏には、愛のメッセージと“無邪気な妖精より”と書かれたサインが記されていた。なんと、夫には愛人がいたのです。しかもその愛人というのが…。
本筋とあまり関係がないのですが、私は冒頭のマッシモとアントニアのデートシーンが永遠の憧れです。
あのシーンだけで、彼らの落ち着いた結婚生活、趣味の良い暮らし、人柄などが感じられるすごい演出です。
愛人ミケーレに対して最初は憎しみや戸惑いしか抱いていなかったアントニアですが、ミケーレから自分の知らない夫を見出したり、途中からミケーレ自身へも親近感を超えた感情を持ちはじめます。
監督がトルコのバックグランドを持っているので、音楽や色遣いもオリエンタル…。
この映画でステファノ・アッコルシが大好きになった映画です。
多分50回は見ましたね。
『星なき夜に (La stella che non c'e)』
(おはなし)
不景気で稼働を停止したオンボロ製鉄所に、中国の代表団が訪れ高炉を購入します。整備技師ヴィンチェンツォは、高炉に欠陥があることを知り、運び出すのを待つよう止めたのですが、中国の代表団は忠告を無視し、持ち帰ってしまいます。
ヴィンチェンツォは単身、交換部品を持って上海へと渡りますが、高炉はすでに転売されて行方不明です。大事故になってはいけない!と彼はその行方を突き止めるため、代表団の通訳をしていた少女リュウを探し出し、高炉探しの長い旅が幕を開けるのです。
絶対に出会ってはいけないものがであってしまった。
イタリアと中国。この世で最も適当な人たちの頂上対決です。
純粋で頑固な完全理系の中年イタリア男と、気の強くて世話焼きな中国少女。
途方もない旅路のなか、中年イタリア男が全力ジェスチャーで突き進むも、中国人には暖簾に腕押し。
そして、想像を絶する現代中国社会の混沌とした姿に打ちのめされます。
こりゃ、なにを言っても無駄だ。
そんな気持ちになります。私ならあきらめます。
物語はジェノバから始まるのですが、さすが今昔冒険のスタート地点。
コロンブスもジェノバ出身です。
『犯罪小説 (Romanzo criminale)』
(おはなし)
ギャング映画です。
不良少年たちの一味が成長してローマの裏社会を仕切るギャングになり、警察ともめる…
単純な話ではあるものの、70~90年代にかけてイタリアで実際に起こった大規模な爆破事件など史実が絡められております。
ステファノ・アッコルシ、クラウディオ・サンタマリア、シャネルのモデルも務めるアンナ・ムグラリスなど豪華俳優陣。
シャネルの広告に出ているモデルさんですが、見事な演技で警察とギャングの親玉双方の情婦…というスゴい役をやりきっていました。
(リッカルド・スカマルチョも出ていたような…)
イタリア映画らしく、このシーンいるかな?というくらい、無駄にベッドシーンがありました…。
ほかにも
『tre metori sopra il cielo』
『L'uomo perfetto』
など、「こういう感覚なのか~」と勉強になるイタリア映画は数多いです。
また、気が向いたらまとめます。
Buona notte :)
ロベルト・ロッセリーニ、フェデリコ・フェリーニ、ミケランジェロ・アントニオーニ、ルキノ・ビスコンティ、デ・シーカなどの映画史に残る巨匠軍、
そのあと1980年代以降は『ニュー・シネマ・パラダイス』のジュゼッペ・トルナトーレ、更に『ライフ・イズ・ビューティフル』のロベルト・ベニーニなど…
ハリウッド作品とはちがった個性的な作品が多くあります。
しかし、もっと娯楽的で、かつ今のイタリアがよくわかる作品…と言えば、この辺りかと。
『私を撮って (Riprendimi)』
(おはなし)
資金がないけどコンペのために作品を撮りたいエロスは“非正規労働者”の生活を追求するドキュメンタリー映画を作ろうと思いたちます。同業のジョルジョと組んで、友人の売れない俳優ジョヴァンニと仕事が不定期な映画編集助手ルチアの夫婦にターゲットを絞り、撮影開始。
朝から夜までを追いかけて密着取材を始めたところ、夫婦喧嘩の末ジョバンニが家を飛び出し…。
イタリア映画によくある構図ですが…
主人公はイケメンなのですが、まずもってダメ男です。
赤毛可愛い系華奢な美女 VS 黒髪グラマラスセクシー美女。
イタリア男は必ず浮気します。
そして、間違いなく黒髪セクシーを選びます!
おいおい、これはポルノか!というくらい、しつこいです。
日本だと女性への配慮から、こんなひどい浮気男の話なんてそもそも作られなさそう…。
ただ、遠慮なく描いてしまえば「これが現実なのだろうな~」とおもう、鋭い作品だと思っています。
最後にカメラを止めるシーンが非常に印象的です。
そう、あなたも演者なのです。
『最後のキス (L'ultimo bacio)』
(おはなし)
ジュリアは27歳、カルロは29歳。二人は交際3年目で、子供が生まれる予定なのですが、結婚するつもりはありません。彼らの間は順調に進んでいるかに見えたが、実は異なっていた…というところから物語が始まります。
反復になりますが、男は必ず浮気します。
今回は、彼女の妊娠の直後、その変化について行けず、しかも、未成年を相手に浮気に逃げるパターンです。
イタリア人にありがちな【妊娠出産と結婚は別】という〝結婚したくない男″です。
とにかく結婚という看板が重すぎて、彼らには無理…。現実逃避としてまず浮気します。
このストーリーの面白いところは、最終的にカルロは「独身」「自由」などをあきらめ、結婚します。子育てにも参加します。しかし、親友たち3人はそれぞれの思いを胸に、キャンピングカーで旅に出ます。
「義務」や「責任」なんてまっぴら!結婚なんて死んでもするか!!
それが多くのイタリア人の気持ちです。
さらに、プロローグではジュリアの両親の冷え切った関係の描写、エピローグではジュリアとマッチョな男性との偶然の出会いの場面が挿入されています。
これは…なにかあるね。という悪い後味を残してくれる良い映画です。
人生にハッピーエンドなんてないのだ!ということでしょう…。
『無邪気な妖精たち (Le fate ignoranti)』
(おはなし)
アントニアとマッシモは結婚して約10年。
すべてが順調で何も問題がないようですが、突然の交通事故でマッシモが死んでしまいます。悲しみの中で夫の遺品を片づけ始めたとき、一枚の肖像画を見つけます。絵の裏には、愛のメッセージと“無邪気な妖精より”と書かれたサインが記されていた。なんと、夫には愛人がいたのです。しかもその愛人というのが…。
本筋とあまり関係がないのですが、私は冒頭のマッシモとアントニアのデートシーンが永遠の憧れです。
あのシーンだけで、彼らの落ち着いた結婚生活、趣味の良い暮らし、人柄などが感じられるすごい演出です。
愛人ミケーレに対して最初は憎しみや戸惑いしか抱いていなかったアントニアですが、ミケーレから自分の知らない夫を見出したり、途中からミケーレ自身へも親近感を超えた感情を持ちはじめます。
監督がトルコのバックグランドを持っているので、音楽や色遣いもオリエンタル…。
この映画でステファノ・アッコルシが大好きになった映画です。
多分50回は見ましたね。
『星なき夜に (La stella che non c'e)』
(おはなし)
不景気で稼働を停止したオンボロ製鉄所に、中国の代表団が訪れ高炉を購入します。整備技師ヴィンチェンツォは、高炉に欠陥があることを知り、運び出すのを待つよう止めたのですが、中国の代表団は忠告を無視し、持ち帰ってしまいます。
ヴィンチェンツォは単身、交換部品を持って上海へと渡りますが、高炉はすでに転売されて行方不明です。大事故になってはいけない!と彼はその行方を突き止めるため、代表団の通訳をしていた少女リュウを探し出し、高炉探しの長い旅が幕を開けるのです。
絶対に出会ってはいけないものがであってしまった。
イタリアと中国。この世で最も適当な人たちの頂上対決です。
純粋で頑固な完全理系の中年イタリア男と、気の強くて世話焼きな中国少女。
途方もない旅路のなか、中年イタリア男が全力ジェスチャーで突き進むも、中国人には暖簾に腕押し。
そして、想像を絶する現代中国社会の混沌とした姿に打ちのめされます。
こりゃ、なにを言っても無駄だ。
そんな気持ちになります。私ならあきらめます。
物語はジェノバから始まるのですが、さすが今昔冒険のスタート地点。
コロンブスもジェノバ出身です。
『犯罪小説 (Romanzo criminale)』
ギャング映画です。
不良少年たちの一味が成長してローマの裏社会を仕切るギャングになり、警察ともめる…
単純な話ではあるものの、70~90年代にかけてイタリアで実際に起こった大規模な爆破事件など史実が絡められております。
ステファノ・アッコルシ、クラウディオ・サンタマリア、シャネルのモデルも務めるアンナ・ムグラリスなど豪華俳優陣。
シャネルの広告に出ているモデルさんですが、見事な演技で警察とギャングの親玉双方の情婦…というスゴい役をやりきっていました。
(リッカルド・スカマルチョも出ていたような…)
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ほかにも
『tre metori sopra il cielo』
『L'uomo perfetto』
など、「こういう感覚なのか~」と勉強になるイタリア映画は数多いです。
また、気が向いたらまとめます。
Buona notte :)
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