“Gold and Silver”. / 『輝ける金と銀』展。キラキラの魅力。
都内のお気に入りのひとつ、山種美術館。
今期は『輝ける金と銀 -琳派から加山又造まで』という展示をやっていました。
日本画に見られる金や銀といった金属の利用にフォーカスしたおもしろいテーマ。
背景に使ったものだと、雲や霞を金銀で練りつぶして表現したり、金銀を紙に鋤きこむことも。
豪華な使い方ですが、紙の裏に貼ると小さな行燈をともしたように、じんわり絵が温かくかがやきます。
金や銀の使い方もざっくり分けても幾つかあり、今回の展示では「撒きつぶし」、「金泥(銀泥)」、「箔押し」といった主要な技法を丁寧に説明してくれていました。
撒きつぶしの素晴らしい作品としては
速水御舟の『名樹散椿』。
ぽってりとした見事な椿がどーん!
背景が金の撒きつぶしののですが、その広い面積が均一に輝いていることが目を疑います。
豪気にも、一度泊を敷き、その上に絵の具を塗る作品も。
山本丘人の『真昼の火山』。
銀泥を用いた作品ですごいとおもったのは鈴木其一の『芒野図屏風』。
銀泥で描かれた芒が、徐々に黒く酸化する銀で描かれた霞と、墨で描いていた葉が有機的に重なり、多重奏のようなおくゆきに。
銀の酸化を生かした作品で、ただ輝くだけではない金銀の仕事っぷりに唸りました。
川崎鈴彦の『罌粟』は一番気に入った作品!
一瞬どこに金属を使っているのかな〜?とおもうのですが、抑えられた上品な輝きがなんともモダン。
背景は銀箔をちぎり、さらに強すぎる輝きを抑えるため、上に薬液や金銀の泥などをのせたようです。
銀の定着をよくし、変色防止にも役立つという…。
西洋の絵にも、中世の宗教画、ビザンツ様式のモザイクやイコン、クリムト、ウォーホルなど、金のイメージが強い作品はありますよね。
あれって本当に金(あるいは銀)なのかな?
よく知らないのでそのうち確かめたいです。
美術館に年に何回かでも行く人にオススメな “ミューぽん”。
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ここに掲載されている美術館はそう多くないけど、入場料の割引や特典などを受けられます。
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最後に恒例の和菓子で〆。
展示のテーマに合わせて作られています。
わたしは俵屋宗達作の『鶴と波』に取材したこちらをチョイス。
きんとんとこしあんで至福のティータイム。
これでまた次回来たくなる、そんな小さな美術館です。
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