Me in Me - 私の中の私 - 展 in SHIDEIDO GALLERY



先日、シンガポール人アーティスト、ミン・ウォンさんの個展「私のなかの私」にいってきました。

「西洋の映画は写真の延長に存在し、日本の映画は歌舞伎や能といった伝統芸能の延長にある」
というのが、ミンさんが日本滞在を経て感じたことらしいです。

日本の〝映画″を「時代劇」「現代劇」「アニメ」の3つのジャンルに分け、それぞれを彼一人で演じる映像が主な作品でした。
 
解説によって知ったのですが、3つの典型的ジャンルをそれぞれ特有の演技・映画的撮影スタイル・物語設定で表現してるとのこと。
「時代劇」はどうも歌舞伎…?のようで、「現代劇」は世界の小津風、「アニメ」は新世紀エ ヴァンゲリオンなどモトネタにしているようです。

ミンさんという、まったくのアウトサイダーが日本の典型を演じることで、その性差、言語差、身体的特徴の差…などなど、私たちが【普通】【普遍的】だと思い込んでいたいろいろな要素がバラバラに可視化されます。
良い・悪いという以前に、アイデンティティの再認識・再確認といったところでしょうか…。

flat, cloud, shareといったことがさもあたりまえになって、逆に見えなくなったものもあるのかもしれません。

それにしても、最近のコスプレ、セレブのなりきりファッション、変身メイク…の盛り上がり。
自分ではない誰かになりたい、という願望はいままでもあったとおもいますが、それがある種のメディアが過剰に肯定している気がして、私個人はこの煽り方はやだな、とおもっています。

ちょうど、ちかいハナシとしてソフィア・コッポラの最新作『ブリングリング』は近々公開ですが、こちらも憧れと自分が倒錯してしまったティーンを描いているようです。
憧れがいきすぎてパリス・ヒルトンやオーランド・ブルーム、リンジー・ローハンといったハリウッドセレブの家に侵入し、強盗を繰り返したティーン窃盗団の実話がベース。
盗んだ洋服などを着てファッションショーのようなこともしていたのだとか…。
まだ公開前で観ていないのですが、エマワトソンもイメチェンして悪女を演じるようでたのしみ!

▼『ブリングリング』公式サイト

▼資生堂 ギャラリー 展覧会案内

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